言葉が変われば、組織も変わる
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こんにちは!
戦略コンサルタントの仲村龍治です。
このブログは
「年商数億を数十億に成長させたい経営者の皆様へ
数億特有の経営課題を解決するポイントを、お届けしています」
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私は15年間、総合病院の診療放射線技師として医療に携わってきました。
医療従事者として働きながら、後輩が増えるにつれて人材育成に興味を抱き、
医療だけでなく組織づくりについて学んでいくにつれて、学びを深めていきたいと思い、社会保険労務士の資格取得を目指しました。
資格取得後には関わる組織を広げていきたいと思い独立をしました。
現在では様々な業種の組織づくりのサポートを行っております。
先日、ある会社の経営者様と理念策定のお手伝いをさせていただいた際、
興味深い気づきがありましたので、今回はそのお話をさせていただきます。
「従業員」という言葉が、どこかしっくりこないというのです。
「従う」という漢字が含まれることで、上下関係や支配-服従の関係性が、
イメージされてしまうというのです。
確かに、現代の組織経営において求められるのは、
・主体的に考え行動する人材
・対等なパートナーシップ
・チームワークとコラボレーション
といった要素であり、
「従う」というニュアンスとは相反するものかもしれません。
特に、企業理念やビジョンといった、組織の根幹に関わる部分では、
言葉の持つイメージが大きく影響します。
例えば、「従業員」という言葉一つとっても、
・従来型のヒエラルキーを連想させる
・指示待ち人間を生み出す
・会社と社員を対立構造として捉えてしまう
といったネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれません。
言葉は単なるコミュニケーション手段以上のものです。
それは文化や価値観を形作り、
私たちにある種の印象を与えます。
「従業員」という言葉は、多くの組織で使われていますが、
それが持つニュアンスが企業文化に影響を及ぼす可能性があることを見逃してはいけません。
では、どのように言葉を選んでいけば良いのでしょうか?
重要なのは、自社の企業理念や目指す組織像を明確にした上で、
それに合った言葉を選ぶことです。
例えば、
・チームワークを重視するなら「メンバー」「スタッフ」
・専門性を重視するなら「プロフェッショナル」「アソシエイト」
・共に成長していく姿勢を表すなら「パートナー」「仲間」
など、様々な選択肢が考えられます。
実際、多くの先進企業では従来の「従業員」に替わる呼び方を 採用しています。
・マクドナルド → 「クルー」 (同じ船に乗り込んで航海する仲間というイメージ)
・ディズニーランド → 「キャスト」 (共にショーを作り上げる演者という意味)
・某IT企業 → 「メンバー」 (フラットな組織におけるチームの一員)
ただし、就業規則等の法的文書では「従業員」という文言が一般的であり、法的な解釈も確立されています。
実務としては、
・正式文書では「従業員」
・日常的なコミュニケーションでは新しい呼称
というように使い分けるのが賢明でしょう。
言葉を見直すことは、単なる言葉遊びではありません。
それは、社員一人ひとりの意識を変え、
より良い組織文化を築き上げていくための第一歩と言えるでしょう。
ぜひ、この機会に自社の理念やビジョンを見つめ直し、
言葉の持つ力を最大限に活かしてみてはいかがでしょうか?