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数字を共有する勇気

こんにちは!
Team Co株式会社 戦略コンサルタントの田山 雅朗です。

このブログは
 「年商数億を数十億に成長させたい経営者の皆様へ
 数億特有の経営課題を解決するポイントを、お届けしています」

●数字を共有する4つのポイント
経営者の多くが「社員に数字を見せるのが怖い」と感じています。
しかし、数字を共有しないことで、もっと大きなリスクを抱えていないでしょうか?
私は数多くの企業を支援する中で、数字共有に成功した企業には共通する4つのポイントがあることに気づきました。

  1. 誰に
  2. いつ
  3. 何を
  4. どう伝えるか

この順番を間違えると、同じ内容でも結果は大きく変わります。
では、なぜこの4つが重要なのか?
ある企業の実例から見ていきましょう。

●経営者の本音
先日のコンサルティングの場で、年商8億円のヘルスケア企業(以下「A社」)の社長が、ふと、こんな言葉を口にしました。
「本当に、見せていいんでしょうか…」
「社員に決算書を見せるって、正直怖いんですよ。利益率を知られたら、『儲けすぎじゃないか』って思われそうで…」
多くの経営者が抱える共通の本音です。
数字を共有すること=会社の弱みを晒すこと
そう感じてしまう気持ち、よくわかります。

●隠すことで失っているもの
しかし、A社ではこんな状況が起きていました。
• 幹部候補の社員が「会社の方向性が見えない」と退職を申し出る
• 新規事業への投資判断を社長一人で抱え込み、決断が遅れる
• 「なぜこの経費は削減するのに、あの経費は使えるのか」という不満の声
社員は数字を知らないからこそ、会社の意思決定の背景が理解できず、誰も会社の未来を見ていなかったのです。
営業は「今月の売上」だけを追いかけ、管理部門は「日々の業務」をこなすだけ。
会社に共通言語がない状態でした。

●共有を決断した瞬間
私はA社の社長に、こう提案しました。
「いきなり全てを開示する必要はありません。大切なのは、冒頭でお伝えした4つのポイントを押さえることです」

  1. 誰に → まずは幹部3名から
  2. いつ → 月次決算が出た直後の経営会議で
  3. 何を → 売上・粗利・営業利益の3つの数字
  4. どう伝えるか → 『この数字をもとに、一緒に経営を考えてほしい』というメッセージと共に
    社長は「段階的に」共有することを決断しました。
    いきなり全社員ではなく、まず経営幹部だけに絞り込んだのです。

●2ヶ月後、何が起きたか
数字を共有してから約2ヶ月後。
A社で驚くべき変化が起きました。

(変化1)幹部の発言が変わった
「この新規サービス、粗利率が低すぎませんか?」
「今月は売上が伸びても利益が減っているのは、広告費の使い方に問題があるのでは?」
以前は「社長の指示待ち」だった幹部たちが、自ら数字を見て経営判断を提案するようになったのです。

(変化2)現場から新しいアイデアが生まれた
幹部の一人が、こう言いました。
「利益を増やすには、既存顧客の契約更新率を上げることが最優先ですね。顧客満足度調査を始めませんか?」
数字を知ることで、「何が会社の成長に必要か」を自分たちで考えられるようになったのです。

(変化3)社長の孤独が減った
社長はこう振り返りました。
「今まで一人で決断していた重圧が、ずいぶん軽くなりました。幹部たちが『一緒に会社を良くしよう』という姿勢で動いてくれるようになった。これが一番大きい変化です」

●なぜ、こんな変化が起きたのか?
重要なのは、A社が次の3つを「何もしていない」点です。
• 教育プログラムを新設していない
• 人事制度を変えていない
• 新しい人材を採用していない
ただ数字を共有しただけです。

なぜそれだけで組織が変わったのか?
答えは、「共通言語」が生まれたからです。

数字という共通言語を持つことで、社員は経営者と同じ視点で会社を見られるようになります。
売上、粗利、利益、投資回収期間…
これらの数字が、社員にとって「自分ごと」になった瞬間、組織は自然と動き出すのです。

●じつは、他社でも同じことが起きていた
年商5億円の製造メーカー(B社)でも、同じ悩みがありました。
「3年後の売上目標10億円を伝えて、もし達成できなかったら、社員の信頼を失うんじゃないか…」
しかし、B社の社長も勇気を出して、全社員に「3年後、売上10億円」を宣言しました。

すると——
• 営業担当が「新規顧客獲得のための具体的なプラン」を持ってきた
• 製造担当が「設備投資のタイミング」を逆算して提案してきた
• 若手社員が「新サービスのアイデア」を出してきた
A社と同じように、社員が自ら動き出したのです。

2社の事例が証明しています。
数字を共有する勇気は、組織を変える力を持っています。

●あなたの会社では、どこから始めますか?
いきなり全ての数字を、全社員に公開する必要はありません。
大切なのは、4つのポイントを戦略的に設計することです。

  1. 誰に → まずは信頼できる幹部から
  2. いつ → 月次決算後など、タイミングを決める
  3. 何を → 売上・粗利・営業利益など、最も重要な数字から
  4. どう伝えるか → 「一緒に会社を良くしよう」というメッセージと共に

この順番を間違えると、せっかくの数字共有も逆効果になります。
しかし正しく伝えれば、社員は「自分ごと」として会社を見るようになり、組織は自然と変わっていきます。

数字を共有する勇気。
それは、社員を信じる勇気でもあります。
あなたの会社では、どこから始めますか?

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