事業計画も評価制度もあるのに…中小企業がつまずく“本当の原因”とは
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こんにちは!
戦略コンサルタントの野村修一です。
このブログは
「年商数億を数十億に成長させたい経営者の皆様へ
数億特有の経営課題を解決するポイントを、お届けしています」
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先日、ある中小企業の経営者の方と
こんな会話をしました。
「うちの会社は、社内でちゃんと
事業計画書を作成してるんですよ」
「それは素晴らしいですね。ちなみに、
計画通りに進んでいますか?」
「それが……計画どおりには、
全然進んでないんですよ」
このような話は、実はその企業だけに
限ったことではありません。
多くの中小企業で同じような
現象が起きているのです。
やらなければならないことは
理解していて、必要な資料や制度も
社内できちんと作成されています。
それでも成果に
つながらないのです。
なぜでしょうか?
たとえば、その企業では
次のような取り組みが行われていました。
・事業計画は専門家と一緒に作成済み
・経営理念も外部支援を受けて言語化済み
・評価制度も人事コンサルと構築済み
それぞれの制度を個別に見ると、
どれも「やるべきこと」は
実行されているように見えます。
事業計画も筋が通っていますし、
経営理念も社員にしっかり共有され、
評価制度も一般的な水準以上の内容でした。
それにも関わらず、
成果が出ていないのです。
ここでの本質的な課題は、
「点と点をつなぐ視点」が
社内に欠けているという点です。
それぞれの取り組みが、どのように
連動して成果を生むか。
全体を俯瞰して見て、バランスを取りながら
最適化していく役割が
社内に存在していないのです。
本来であれば、その役割を担うのは
社長ご自身かもしれません。
しかし中小企業の社長は、経営に加えて
現場業務や営業、商品開発など、
日々マルチタスクを
こなしておられる方が多いです。
そのうえで、全体の構造を捉えながら
各制度を調整していくのは、
現実的に難しいのではないでしょうか。
だからこそ、戦略コンサルタントの
存在が重要になってきます。
戦略コンサルタントは、企業の未来に向けて
各取り組みをどう組み合わせ、
どの順番で実行していくかを
経営者と一緒に設計する役割を担っています。
事業計画単体を見るのではなく、
経営理念との一貫性を確認し、
それが制度や仕組みに落ちているか、
そしてそれが社員の行動に
どう影響しているかを見ていきます。
私が以前関わった製造業の企業では、
売上が3年間横ばい、
離職率が20%を超えていました。
立派な事業計画や評価制度はありましたが、
理念と制度が分断されており、
社員の行動に結びついていなかったのです。
そこで、理念→戦略→制度→現場という
一貫性のある構造を再構築しました。
結果として、2年で売上は25%増加、
離職率は10%以下に改善されました。
制度をつくることは大切ですが、
それが“点”のままでは
組織を動かす力にはなりません。
制度同士を“線”でつなぎ、
全体最適な“面”として仕組みに落とし込む。
このプロセスを経て、
はじめて成果につながるのです。
もちろん、社長がすべてを
一人でやる必要はありません。
むしろ、外部のプロフェッショナルを
うまく活用することも、
立派な経営判断です。
「全体最適」の視点を持つパートナーを
得ることができれば、
中小企業は次のステージへと
力強く進んでいくことができます。