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会社が頭打ちになる、意外な理由

こんにちは!
Team Co株式会社 戦略コンサルタントの川原 茂樹です。

このブログは
 「年商数億を数十億に成長させたい経営者の皆様へ
 数億特有の経営課題を解決するポイントを、お届けしています」


数年前、ある製造業の社長とお話ししていたときのことです。

その社長は、営業も現場も把握し、
創業期からずっと最前線に立ち続けてきました。

実際、社長が動けば売上は上がり、
難しい案件も自然とまとまる。
いわゆる「一番できる社長」です。

● なぜ、社長は不安になるのか

それでも、こんな言葉が漏れました。
「ここ数年、ずっと全力で走ってきたんですが……
 どうも会社が頭打ちなんですよね」

社員が増え、売上も少しずつ伸びている。
でも、会社の成長スピードは、物足りないようです。

原因は、社長や社員の能力不足でも、努力不足でもありません。
むしろ逆でした。

社長が人一倍頑張っているからこそ、会社が伸びにくくなっている。

知らず知らずのうちに、そんな構造にハマっている会社は少なくありません。

その社長は、こうも言っていました。
「社員に任せたい気持ちはあるんです。
 でも正直、怖い。
 以前、任せたら、売上が一気に落ちたことがあって……」

話を聞いていく中で、私は、あることに気づきました。

それは、この社長が「任せ方」を知らないのではなく、
「任せても大丈夫な状態」を、見たことも経験したこともない、
ということでした。

だから、うまくいくイメージが浮かばず、
むしろ、怖さのほうが先に立ってしまうのです。

社長がすべてを判断し、
社員から上がってくる提案やアイデアを修正し、
トラブル案件は、結局、社長がすべて巻き取る。

最終判断が、すべて社長に集中しています。

でも、冷静に考えてみてください。
社長の時間は有限です。
1日は24時間。
今の2倍、3倍働くことはできません。

社長が頑張れば頑張るほど、
会社の成長スピードは「社長の時間」に縛られます。

● 社員側で起きていること

一方で、社員はどうでしょうか。
判断を任されていない。
自分が考える前に正解が出てくる。
失敗する前に修正される。

この状態では、社員はフルパワーを出せません。
「指示を待つほうが合理的」と考えてしまうからです。
怠けているわけではなく、環境に馴染んでしまうのです。

そして皮肉なことに、
優秀な社員ほど、苦しくなって、辞めていきます。
自分で考えてもムダ。
成長実感がない。
この先の未来が見えない。

社長は「人が育たない」と悩み、
社員は「ここにいても仕方ない」と感じて去っていく。
これが、
社長が一生懸命なのに、会社が頭打ちになる構造です。

● 任せても大丈夫な仕組み

では、どうすればいいのか。
ここで一つ、視点を切り替える必要があります。

任せるとは、仕事を丸投げすることではありません。
判断基準を渡すことです。
・何をゴールにしているのか
・その上位目的は何か
・どの数字を追いかけるべきか
・迷ったとき、何を優先して判断すればいいか

これらが言語化、数値化され、共通認識になっていれば、
社長が常に見ていなくても、判断は大きくズレません。

こんな話をしたとき、社長はしばらく黙り込み、
深くうなずきました。

すぐに答えは出ませんでしたが、
その後、「一度、引いてみます」と、静かに決断されたのです。

そして、社員に渡すべき「判断基準」について
社長と一緒に整理し、まとめることになりました。

しばらく経って、社長から、こんな言葉が出てきました。
「正直あのときは、かなり怖かったんです。
 何かあったらどうしようって」

結局、大きなトラブルはなく、
むしろ社長が一歩引いたことで、社内の空気は大きく変わっていました。
「今まで頼りないと思っていた社員の表情が変わってきて、
 会議でも、自分から発言するようになったんですよ」

社長が全部を抱え込むのをやめたとき、
社員が“みずから考える”ように変わり始めたのです。

社長が優秀であることは、会社の大きな強みです。
ただし、その強みを一人で守り続ける限り、
会社は必ず、頭打ちになります。

・任せる勇気
・任せても大丈夫な仕組み(判断基準)

これが揃ったとき、
会社は初めて
社長一人分の能力を超えられるようになります。

もし今、
「自分が頑張らないと回らない」
「社員は増えているのに、全然楽にならない」
と感じているなら、それは、
次の成長フェーズへ、一歩踏み出すタイミングかもしれません。

社長が人一倍頑張る会社から、
社員が判断基準を持ち、自走する会社へ。

その一歩を踏み出したとき、
今まで見えなかった景色が、必ず見えてきます。

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